破折歯(歯牙破折・歯根破折)の「再植術」と「自家移植術」

11月 24th, 2011

歯の破折(歯牙破折・歯根破折)は、実は成人の歯を抜く理由の1位であることをご存知でしたか?

 

今まで歯を抜く理由で「破折(歯牙破折・歯根破折)」は虫歯・歯周病に統計上入れられていましたが、

破折という項目を加えると1位になってしまったのです。

 

では、どういうケースが多いのか?それは神経を取り除いた歯です。

神経の治療を終えた後、土台を入れて差し歯を作ります。

ただし、日本の場合は土台は保険治療で金属しか認められてません。

その金属の土台が歯には固すぎるのです。

歯の中央に入った金属の土台が歯に杭を打っているのと同じことになってしまっていたのです。

毎日噛むことが仕事の歯にとって自分で自分をいじめていたのです。

これは随分以前から指摘されていました。

現在は金属ではなく強化型のプラスチックの土台が使用できるようになりました。

ただし、これは日本の特異性で保険治療には入っていません。

 

ここからが今回の本題です。

歯が割れたら、以前は他院と同じように、当院も歯を抜かざるを得ませんでした。

ただし、日本のメーカーの生体親和性に優れた強力な接着剤のおかげで、

破折した歯も普通の歯と同じように修理をすることで噛めるようになりました。
では、どのようにするのか?

まず破折線が、歯冠部に限局あるいは、根の先端まで及んでいないケースは、

歯の中から破折線を追求し、汚染された部分を取り除き、接着剤で修復します。

その後に必要であれば、土台をプラスチック系で作り直し、差し歯を作って装着して終了です。
では、破折線が根の先端近くまで及んでいる、もしくは完全に破折片が遊離している。

このようなケースでは歯を抜いて処置をします。

可能ならば、プラスチック系の土台を作って歯を強化した後に

出来るだけ損傷せずに歯を抜きます。

その後に汚染した部位を取り除き、破折片を接着させます。

その後に再度、抜いた部位に戻す再植術を行います。

隣りの歯と固定して1~2か月経過を観察し、差し歯を装着します。

場合によっては歯を浅く再植する事もあります。

これは、往々にして破折した歯はフェルールといって、

歯肉上に出ている健全な歯の部分が少なくなっているか、

ほとんどないケースが多いのです。

健全な歯質が充分ある場合に比べ、2倍以上強度が劣り、破折の原因になっています。

それを回避するために浅く再植して、歯肉上の健全な歯の部分を確保するのです。
そんなことが可能なのか?

可能です。

実は歯の自家移植術という方法が、破折歯の再植に先行すること20年前から行っています。

これは抜いて歯のない状態の部分に、使っていない健全な親知らずなどを移植します。

当然抜いた歯の穴とピッタリと適合はしません。

しかし、健全な親知らずを損傷なく抜くことができれば、

根の周囲に骨を誘導する能力を持ったコラーゲン線維である歯根膜のおかげで、

移植した歯とのギャップを骨が埋めてくれます。

全て、自分の歯だから可能なのです。

実際は親知らずに限らず、使われてない歯、歯並びから飛び出している歯であれば可能です。

 

術前の状態です。

 

抜歯後の状態です。

 

破折片の確認(ファイバーコア、歯根、破折片)

 

歯根部位の破折部位確認

 

スーパーボンドにて破折片接着

 

余剰セメントの除去、再殖前

 

再殖後の口腔内、隣在歯とスーパーボンドで固定

 

当院では歯を抜かざるを得ないケースではインプラント治療を専門に行っていますが、

その前に抜かなくてすむ方法も提供しています。

破折歯の再植術、自家移植術、インプラント。歯がダメな時はこれらの方法があります。

もう1つの症例をご紹介します。

 

抜歯後、根分岐部の汚染確認

 

汚染部の除去

 

汚染部の除去後、スーパーボンドにて破折部接着、硬化後、余剰部研磨

 


再殖前の確認

 

 

もし、受診している歯科医院で、歯を抜きましょうと言われたなら、

セカンドオピニオンとして、当院にご相談してみて下さい。


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